お題「これまで生きてきて「死ぬかと思った」瞬間はありますか?身体的なものでも精神的なものでも」
あれは平成24年2月のある日、法事からの帰り道です。雪国育ちの私たち夫婦はとにか
くホワイトアウトを舐めていました。いや舐め切っていました。
富良野から札幌まで桂沢を抜け、岩見沢、当別を通りあいの里から札幌へ入る。
いつもの通りの道順で天気は、風もなくただ雪がはらはらと舞い散る、そんな雰囲気で
よかった、これなら楽勝と高をくくっていた。
桂沢を過ぎたあたりから、風が付いてき視界が悪くなってきました。数々の悪天候を運
転してきた私たち夫婦はちょとくらい前が見えなくても、まあこのくらいは平気平気と
余裕しゃくしゃくでした。
ところが、だんだんと視界が悪いどころか全く見えなくなってきて、雪の降り方が激し
すぎて路肩も道路も反対車線も、わからなくなってきて、私は助手席の窓を開けて確認しながらの走行でした。
田舎道の一車線の道を埋まって動けなくなっている車、トラック、私たちは顔は真っ青になりながら、頭の中は真っ白でした。
一瞬、子供達にはもう会えないかもしれない、と思いました。
そこからは、道路から落ちることなく反対車線の車にぶつからないように車線か
らはみ出ないように唯々もう必死でした。旦那の限界がきて私にハンドルを任されてか
ら暫くして、なんと消防車が私達の車の前に割り込んできたのです。ハザードをつけて。
助かった~と思わず叫びました。
そして無事に帰ってきたわけですが、あの時のことは死ぬまで忘れません。
子供達にこのことを話しても笑われるだけですが、私たち夫婦は冬は車では遠出はしな
いと誓い合ったのでした。