このお祭りに行きたくて、べてるの家「非」援助論を勧められて読んでみた
べてるの家の始まりがよくわかります。
この本の内容は、あるソーシャルワーカーと精神に病を抱えた人たち、べてるの家の歴史なのである。私にとってそれは想像を遥かに超えるものでした。
地域のためにできること 社会復帰という切り口の貧相
仕事があり、収入もあり、住むところがある私自身が直面した困難さは、仕事がなく、収入も少なく、住む場所も限られる彼らが地域で生き抜くことのさらなる困難さを、心の底から思い知らせてくれたのである。
諦めが肝心 四六時中、人に見られていた七年間
清水里香
「そうか、私は牛糞だったのか・・・」
苦悩にまみれた悪臭を放つ牛糞山のようだった私を、べてるのミミズは、ほかほかの土に変えてくれたのです。悩んでも悩み切れない、七年間の絶望的な苦悩が、たくさんのミミズと出会うことによって肥しとなり、「諦める」ということを引き出してくれました。私のまわりにはミミズがいっぱいいてくれました。
昇る生き方から降りる生き方へ 病気に助けられる
松本寛
分裂病と診断されて、自分の病気と付き合うことを基本にして暮らすようになって、僕の生活の質は格段に良くなりました。今でも幻聴さんは、けっこういい加減なこと、物騒なことを語りかけてきます。しかし対処法が身についてきたので、生活にはほとんど支障がありません。
病気って何ですか? 川村敏明
われわれは幻聴を非常に否定的なものとして見ていましたから、さんづけどころか早くクスリで、それこそ殺菌剤でバイ菌を殺すように幻聴をなくさないといけないと思っていたわけです。そこが全く今は変わってきて、さんづけをして、いいお付き合いをしていこうということです。そういうことを大事にするのが、現実の人間関係が良くなることにとても役立っているんだと。
精神に病気を抱えてそれとうまく付き合うために、薬で抑えるだけではないんですね。
自分の弱さをさらけ出してそれと付き合っていく。それを研究していくってことなのか
しら・・そんなことが出来る環境ってかけがえのないもので、仲間って宝物ですね。
この本もべてるのお祭りも私にとって大変興味深いのでした。